予防接種とは
出産時に母体から様々な免疫機能を引き継いで赤ちゃんは生まれてきますが、その機能は日が経つにつれて(成長と共に)減弱していき、やがてこの世に存在するとされる多くの感染症に感染し、発症していくようになります。なかには、生命に影響するような感染症もあるので、このような状況に陥らないために行われるのが予防接種です。
「定期接種」と「任意接種」
小児の予防接種には「定期接種」と「任意接種」があります。定期接種は予防接種法に基づいて各自治体が実施するもので、指定されているワクチンの病気はいずれも感染力が強いことから、集団での感染リスクがある病気の予防を目的としています。国が推奨している期間に接種すると公費負担(無料)で受けられます。
また任意接種は接種費用が自己負担となりますが、日本では任意とされているワクチンが外国では定期接種に指定されていることもあります。そのようなことから定期接種と同様に接種することをお勧めします。なお、定期接種でも推奨指定期間を過ぎてから受けられると、任意接種扱いで費用は自己負担となります。小児が受ける定期接種と任意接種は以下の通りです。
定期予防接種の種類と接種回数および推奨年齢
- ヒブワクチン【不活化ワクチン】
- (生後2~4ヵ月の間に3回、12~17ヵ月までに1回の計4回の接種を推奨)
- 小児用肺炎球菌ワクチン【不活化ワクチン】
- 生後2~4ヵ月の間に3回、12~15ヵ月までに1回の計4回接種を推奨
- B型肝炎ワクチン【不活化ワクチン】
- 生後2~3ヵ月の間に2回、7~8ヵ月までに1回の計3回接種を推奨
- 4種混合ワクチン(DPT-IPV:ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)【不活化ワクチン】
生後3ヵ月~2歳の誕生日前までに計4回の接種を推奨
または
3種混合ワクチン(DPT:ジフテリア・百日せき・破傷風)【不活化ワクチン】とポリオ【不活化ワクチン】
生後3ヵ月~2歳の誕生日前までに計4回の接種を推奨- 2種混合ワクチン(DT:ジフテリア・破傷風)【不活化ワクチン】
- 11~13歳未満の間に1回接種
- 麻しん(はしか)・風しん混合ワクチン(MR)【生ワクチン】
- 1歳~2歳の誕生日前に1回、5歳~7歳の誕生日前までに1回の接種を推奨
- 水痘(水ぼうそう)ワクチン【生ワクチン】
- 生後12~15ヵ月で1回、その後6~12ヵ月開けて1回の計2回を推奨
- 日本脳炎ワクチン【不活化ワクチン】
- 3歳の間に2回、4歳の間に1回、9~12歳の間に1回の計4回を推奨
- BCGワクチン【生ワクチン】
- 5~8か月未満の間に1回の接種を推奨
- 子宮頸がんワクチン(HPV)【不活化ワクチン】
- 中学1年生の女子が対象で計3回の接種を推奨
- ロタウイルスワクチン(1価もしくは5価)【生ワクチン】
- 令和2年10月1日(木)から、ロタワクチンの定期接種化が開始されました。
令和2年8月1日以降にご誕生されたお子様が対象になります。
任意接種の種類と接種回数
- A型肝炎ワクチン【不活化ワクチン】
- 計3回:1歳から接種可能、1回目から2回目は2~4週間の間隔で接種し、その約半年後に3回目を接種する
- おたふくかぜワクチン【生ワクチン】
- 計2回:1歳過ぎたら早期に接種、2回目は5歳以上7歳未満の間に接種する
- インフルエンザワクチン【不活化ワクチン】
- 13歳未満は計2回:生後6ヵ月以降の全年齢が対象で、毎年流行前の10~11月に接種する。1回目と2回目の間隔は2~4週間ほど空ける
- 髄膜炎菌ワクチン【不活化ワクチン】
- 1回:2~55歳までに接種
*小児の予防接種の詳細は、厚木市の公式ホームページにある子どもの予防接種をご覧ください。
【子どもの予防接種】 | 厚木市
予防接種のスケジュール管理について
小児の予防接種は定期接種だけでなく任意接種も含め、ワクチンが何種類もあるほか、同じワクチンでも接種回数が複数回あるなどするので、保護者が全てのスケジュールを頭の中で把握するのは、なかなか困難です。そのようなことから当院では、これらワクチンの接種を忘れないようにするべく、スケジュール管理のお手伝いをしています。ご希望される方は、一度ご相談ください。